まぶたの位置は正常ですが、まつ毛の毛根が目に近い位置にあるか、生え方の向きが目の方へ向かうために、まつ毛が目に当たっている状態です。
眼瞼内反症や睫毛内反症に併発することもあります。
眼瞼内反症や睫毛内反症に比べれば、当たっているまつ毛の数が少なく、症状は軽いことが多いです。
まつ毛を抜くことで対応されることが多いですが、時間が経てばまつ毛はまた生えてくるため、根治的な治療にはなりません。
症状が軽ければ、定期的にまつ毛を抜くことも間違いではないかと考えますが、抜くことで生じる慢性炎症が、より睫毛乱生を悪化させる可能性が示唆されています。したがいまして、抜去の頻度が多い場合や、本数が多い場合には、それ以上の悪化を防ぐためにも手術加療を検討する価値があります。
根治的な治療は手術で可能です。
部分的な睫毛乱生症には睫毛根部切除術が有効です。まつ毛の周囲をブロック状に毛根ごと摘出してしまい、その後は電気凝固で止血を行い、そのまま縫合せずに傷が治るのを待ちます。日帰りで5分もかからない手術ですし、傷も数mm程度で済むことが多いです。
重症な場合には、まつ毛を含む皮膚を、瞼を支えている瞼板という組織からsplit(分離)し、まつ毛を瞼縁から離す術式であるlid splittingが必要となります。状態にもよりますが、15分程度の手術です。ただし、最終的には綺麗になるのですが直後は手術後の傷が目立ってしまうのと、治るのにもやや時間を要します。
症状が軽いのか重いのか、まつ毛を抜く本数や頻度、これまで悪化してきているかどうか、まつ毛を抜くために眼科受診をする手間をよしとするのかどうか、簡単な睫毛根部切除術で対応可能な状態なのか、など最適な治療を行うためには総合的な判断が必要です。
たいした説明もなく眼科でまつ毛を抜き続けていることに疑問を感じている方や、根治的な治療があるなら検討してみたい方は、いつでもご相談ください。