お子様が近視でお悩みの方へ
当院では小児期における近視の進行抑制を目的とした点眼治療を行っております。
子どもの近視は、主に眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで、ピント位置がずれることにより生じるケースが多くあります。
近くを見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく、一度眼軸長が伸びてしまうと戻る事がありません。その為に眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するために重要となります。また、高度な近視の場合、回復不可能な視力喪失、黄斑変性症、網膜剥離、または緑内障に発展する可能性もあると言われています。
近視の進行を抑制する点眼治療「マイオピン」
当院では、アトロピンというお薬を1日1回点眼することによって近視の進行を抑制する治療を行っております。治療には低濃度アトロピン(マイオピン)を使用します。この点眼薬は、アトロピンを配合させた点眼薬で、Singapore National Eye Centre(SNEC:シンガポール国立眼科センター)の研究に基づいて開発されたものです。
このマイオピンにはアトロピン0.01%および0.025%配合の2種類があり、患者さまの状態により使い分けます。
マイオピンの対象となる方
- 軽度または中等度の近視の方
- 6歳~15歳の方
※15歳を過ぎても近視は進行するので適応となる場合があります。 - 3か月ごとの定期的な通院が可能な方
- 就寝前の点眼が毎日可能な方
マイオピンの特徴
- マイオピンはアトロピン0.01%および0.025%が配合された点眼液です。
- 毎日就寝前に1滴点眼をする治療になります。
- 近視が完全に止まるわけではありません。海外の報告で、2年間の継続使用で何もしない方と比べて近視の進行を軽減できたという報告をもとにしています。
マイオピンのリスク・副作用について
アトロピンの作用により、点眼後まぶしさを感じたり、ピントが合いにくくなったりする可能性があります。濃度が低いためその作用は軽微であり、また翌日の生活に支障が出ることはまずありません。
一般的に、点眼薬には含まれている成分に対してアレルギーを起こす可能性があります。マイオピンに関しても他の点眼薬と同様にアレルギーのリスクがあります。
マイオピンの処方までの流れ
お子様の視力や目の状態などを検査・診察後、処方となります。
まずは1本購入していただき、副作用の確認をする為、1ヵ月後に再度受診をしていただきます。その後は3カ月~6ヶ月おきの定期検診を受けていただきます。